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復活のきっかけは、CDの3倍超の情報量がある新規格「ハイレゾリューション(ハイレゾ)音源」の登場だ。
大容量のネット環境が整い、ダウンロード形式で普及が始まっている。音質にこだわる消費者が、対応機器を買う動きも広がる。
パナソニックの楠見雄規役員は「『テクニクス』を再び提案できるタイミングが来た」と話す。
新たな機器セットは、いまもテクニクスの認知度が高く、高級機器市場も堅調な欧州で先行投入する。
超高級版が4万ユーロ(約550万円)、高級版が4千ユーロ(約55万円)だ。
パナソニックによると高級音響機器の世界市場は13年に約1千億円で、今後も底堅いという。
同社はテクニクスを拡充し、18年度に100億円の売り上げをめざす。
各社もハイレゾ市場を狙う。ソニーは昨年9月、対応商品の本格投入を発表。
アンプやプレーヤーは約30種類にのぼり、今後も増やす。
日本では音響機器の売上高の2割以上がすでにハイレゾ関連で、海外でも早期に売上高の3割をハイレゾにするのが目標だ。
パイオニアやヤマハも対応を強化している。
配信ビジネスも活発化している。05年に国内初のハイレゾ配信を始めたオンキヨーは5月、英国のデジタルメディア配信企業と業務提携。
海外での配信も本格化させる方針だ。(ベルリン=近藤郷平)
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